意思決定AIモデル「Jev」を用いた「ポケットモンスター 赤」のプレイ実験が行われ、37時間40分で殿堂入りを果たしました。AIの利用料金は合計1.65ドル(約260円)に抑えられています。
意思決定AI「Jev」がポケモン赤を攻略、テキスト生成を省いた「システム1」構造で低コスト・高速化を実現
PLUS ULTRA by アメノヨミ
JevはTransformerベースのモデルですが、文章生成を行う大規模言語モデル(LLM)とは異なります。熟慮して詳細な出力を生成する「システム2」的な思考ではなく、迅速で直感的な判断に特化した「システム1」的なアプローチを採用しており、テキスト生成を一切行わない設計となっています。
具体的な処理では、現在の状態と型指定された問いを入力し、それに対する「選択肢(Choice)」「スコア(Score)」「ヌル(Null)」という型指定された判断を確率と共に返します。逐次的にテキストを生成する自己回帰型モデルの計算負荷を排除しているため、応答時間は70ミリ秒から500ミリ秒と極めて短くなっています。
この構造により、入力100万トークンあたり0.042ドルという低価格を実現し、出力料金は無料となっています。開発元のTypeSafe AIは、独自の評価において、JevがGPT-5.6 TerraなどのLLMと比較して数百倍の高速化と低コスト化を達成したと主張しています。
ただし、Jevは高レベルの判断に特化しているため、単体ではゲームのボタン入力を直接操作できず、初期の実験ではマサラタウンから出ることができませんでした。そのため、RAMから情報を読み取る専用プログラムや、目的地までの経路を計算するA*アルゴリズム、攻略ガイドなどの補助システムで支える構成となっています。