Anthropicは、人工知能(AI)が2030年までに米国の雇用と国内総生産(GDP)に及ぼす影響をまとめた3つの経済シナリオを公表しました。同社の経済研究チームは、AIが雇用、経済成長、失業率に与える影響を分析するモデルを構築し、「緩やかなシナリオ」「実質的シナリオ」「急進的シナリオ」の3ケースを示しています。

同社は、AIが仕事を一律に奪うのではなく、既存業務の支援・自動化と新たな業務の創出が並行して進むとの見方を示しています。例えば看護師の業務では、記録や発注が自動化される一方で、AIが示した計画を確認するような新たな役割が生まれる可能性があると説明しています。

提示されたシナリオのうち「急進的シナリオ」では、AIの普及により2030年の米国GDPがAIが存在しない場合より32.4%高くなり、年率15%の成長を遂げると試算されています。その一方で、知識労働者の割合は2026年の62.2%から2030年には48.7%へ低下し、賃金も10%超下落する可能性があると予測しています。

また、経済規模の拡大が必ずしも労働者に均等に分配されるとは限らないとも指摘しています。「急進的シナリオ」では、GDPに占める労働分配率が45.2%まで低下し、資本への配分比率が54.8%まで上昇するとの試算です。なお、同社は今回のシナリオについて、技術の導入速度や利益の分配方法によって結果は変わり得るとしており、前提条件の違いによる結帰の検証を目的としたモデルであると強調しています。


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